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前回の話の補足&最近読んだ本の話

こんにちは。ようやくブログを書けました。
前回のブログの記事、少し不安な気持ちで投稿したことがありました。
読んで下さった方、反応して下さった方、ありがとうございます。
コメントを下さった方にはお返事を書きました。
お心辺りの方はどうぞ、ご確認いただければと思います。

今自分に必要なことは、今回失った自信や自尊心を取り戻すことだと思っています。
そして、できたら相手の人たちに「悪いことをしたな」と思って欲しい。
多分、悪気があったのではないのだと思います。個人的に。
でも悪意のあるなしと悪いことをするというのは、私は別物だと考えています。
傷つける意図がないから、傷つけてよいということではない。
人間はつい自己保身に走りがちで、「私が悪い」と言いながらどこかで「しょうがないじゃん」と開き直っているところがあると思うのです。私もそうです。
でも、やっぱそれは違うんですよね。
自分でも自戒しないといけないと思っていることの1つです。

こんなことを言うと「綺麗事いってる、かっこつけてる、どうせ文句はしっかり言うくせに」と思われてしまいそうだなとちょっとビクビクしています。笑
いや、私も自分でそう思います。やっぱ腹は立ってるし、許しがたいと思いますし。
でもこれ、どーしようもないじゃないですか。私が怒り狂っても本は出せないわけですし。
お金も多分返ってこないし、侮辱されたっていう気持ちもきっと薄れない。
それならせめて、かっこくらいつけないとやってられません。
負けたくないです。負けません。そりゃ頻繁に凹むだろうけど、絶対負けません。

追記にて、最近?読んだ本の話。
ずっと書いていなかったので大分いっぱい溜めました。汗
・長島伸一著「大英帝国」
…主にヴィクトリア時代のイギリスの庶民生活に関して書かれた1冊です。
王族の話とか戦争の話も面白いけれど、こういう庶民の風俗ってすごく面白いです。
特に、イギリスの禁酒がレジャーを産んだっていういきさつとか。
あとは、ナイチンゲールがすぐれた文筆家だったとか。
知っているようで全然知らない、そんな面白知識が山盛りです!
また階級制の過渡期の訪れから近代化までの流れも分かりやすいです。面白かった!

・遠野なぎこ著「一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ」
…恋多き女として有名な著者の、母親との確執と恋愛遍歴を綴った1冊。
これ、読んでいて凄く苦しい本でした。
親って、どこか聖人のように思われていることがあるけれど。
1度でも自分の親に対して「この人もただの弱い人間だ」と感じたことがある人なら、しみじみと読める1冊だと思います。
共感できないところもあるけれど、こういう傷つき方をしている人がいると知っていることは個人的にとても大切なことなんじゃないかなと考えた本でした。

・イサク・ディーネセン著「アフリカの日々」
…ディーネセンの最高傑作といわれる1冊。結構分厚いし、読破に4日ほどかかりました。
でもね、これ、読んで損なしです!ほんっとうに素晴らしい名著だと思います。
ブリクセン男爵夫人としてコーヒー農園を営むため、本国を離れアフリカで暮らした著者のアフリカでの暮らしを綴った回想録。
ライオンを撃つ話や、現地人である雇い人たちとの暮らし、マサイやソマリといった土地の人々との交流、第一次世界大戦時に女性の身でありながら補給部隊としてサファリを行った体験など、あの時代の女性としては考えられないくらいアグレッシブで柔軟で、なによりも勇敢な著者の目に映るアフリカが、もう、本当、泣きたくなるほど美しいのです。
アフリカや、そこで暮らす動物たちや人々への畏敬と尊敬、なによりも愛を感じます。
この時代にこんな人がいたんだ…それだけで希望を感じる1冊。
「死ぬまでに読むべき100冊」にもよく入っているけれど、その価値は本当にあります。
読んでいない人は是非読んで欲しい。私は多分、これを読まずに死んだら後悔したと思います。

・乾石智子著「ディアスと月の誓約」
…日本ファンタジーの大家である著者の、北欧風ファンタジー。
神殺しの運命を背負う土地と、そこで暮らす王族・ディアスの冒険物語です。
人間の弱さと強さ、そして雪国の美しさが味わえる1冊。
あと、ラストぎりぎりまで割とハラハラする展開が多くて!もう!ってなります。
最後はネタバレになるから伏せますが、本当、あの選択で良かったって思う。
未来はどうなるか分からないけれど、それを信じようっていうエンディングはやっぱ良いな。

・橫溝正史著「夜歩く」
…橫溝ミステリーをきちんと読むぞ!運動はまだまだ続いている模様。苦笑
首ナシ殺人事件の話です。
美少女・八千代の元に届けられた脅迫状、そして彼女の周りで起こる首ナシ殺人。
それが八千代の兄の友人で三流探偵作家の主人公の視点から語られます。
これは、首ナシ殺人&一人称を最大限に生かしたミステリーです。やっぱ橫溝は凄い!!!
ネタバレしないように語るのが難しいのですが、すでに小説の形式がトリックになっている。
そんな感じです。一人称ってこんな書き方あるんだなあ…って思いました。

・支倉凍砂著「狼と羊皮紙Ⅰ」
…大好きな前作「狼と香辛料」の続編です!
前作のメインキャラ・ロレンスとホロの娘、ミューリと彼らに助けられた修道士志望の青年・コルの新たな旅の始まりの物語。
ミューリがコルに恋心を抱きつつも、コルは修道士志望の初心な堅物なので、これからどうなるのか全く分からないと言いますか、そのもどかしさに萌えが爆発します。
しかも某キャラの正体もね…そりゃミューリが警戒するわ!って感じで。
前作も大好きだったんですが、今作も続刊を買い続けることを決めました。
あー、やっぱこういうの大好き。いつか私も旅ファンタジー書いてみたいなと思いました。

・羽田圭介著「メタモルフォシス」
…芥川賞作家である著者が「自分の名刺」と豪語する1冊。
昼は平凡な証券マン・夜はSMクラブで奴隷となる男の物語です。
何かもう、とにかく凄い。SMの世界、奴隷の世界ってこんな感じなの?ってショックと興奮を脊髄に注射される感じです。
個人的には同時収録の、奴隷調教を開始したばかりの男の話も面白かったです。
ただ、割と直球のスカトロ描写やアブノーマルプレイの描写があるので苦手な人は注意!
そういうの平気な人は読んで損のない1冊です。著者の他の本も読みたくなりました。

・シャーリィ・ジャクスン著「ずっとお城で暮らしてる」
…立派なお屋敷で暮らす美しい2人の姉妹と、彼らを取り巻く人々を描いた恐怖小説。
メリキャットことメアリー・キャサリンは、毒殺犯とされ逮捕された過去を持つ姉・コニーと体の不自由な叔父と3人でブラックウッド家のお屋敷で暮らしている。
彼らを残し、家族全員が殺された毒殺事件。毒が入れられていたのはベリーにかけるお砂糖の中。
不吉な家族として忌み嫌われつつ、メリキャットは今の暮らしを続けるために1人、密かに戦っている。
そんな中、突然やってきた従兄弟がコニーを啓蒙し、メリキャットの望む「変わらない暮らし」を変えようとしてしまう。
そんな中、お屋敷で火事が起きてしまい…という話。
これは、まず登場人物たちは正気なのか。誰が正気なのか。そこがまず最初の恐怖です。
そしてやっぱり最後の火事の際に爆発する悪意がね…正に集団心理なのかな。
怪しい世界とひんやりとした潮流のような不気味さが味わえるゴシック・サスペンス。
面白すぎて、著者の本を大人買いしてしまいました。面白かったです!

・皆川博子著「花闇」
…伝説的な悲劇の役者・澤村田之助を描いた時代小説。
美しく才能に溢れながら、壊疽にかかり四肢を失いつつ、最後まで舞台に立とうとし続けた彼の壮絶な生き様を彼のそばで見守り続けた役者・三すじの視点から描いています。
何というか、本当に凄い話です。壮絶だけど、生き生きとしているといいますか。
最後まで全力で、命を引き絞って生きたって感じです。
あと個人的に鏆さんの声の話がね…最後「そうだったのか」みたいな。
田之助は我が儘だし、傲慢だし、はっきりいって好人物ではないのです。
でも、抗いがたい魅力がある。どうしたって憎めない感じ。
著者が著者なので絶対面白いと思っていたけれど、予想以上に凄い作品でした。
読んで損なしです。めっちゃ良かったです!

・森岡正博著「33個目の石 傷ついた時代のための哲学」
…現代哲学者として有名な著者が「許し」をテーマに書いた1冊。
昨今の事件や体験に関して、著者が率直な私見を述べています。
タイトルの「33個目の石」というのは、ある銃乱射事件に関する逸話に基づくもの。
32人の犠牲者を悼むため、現場に摘まれた32個の石。
そこに、最後自殺した犯人のために誰かが33個目の石を添えたというものです。
何度撤去されても、誰かがそれを置く。
果たして自分は33個目の石を置けるのか、置けないのか。読みながら考えました。
内容の中には割と同意できないものもあったのですけれど。
「哲学とはものを考えるためのマニュアル」という言葉に従うと、「なぜ私は同意できなのか」「どういう意見なら同意するのか」と一歩踏み込んで考えるきっかけになる1冊でした。
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