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夏季休暇&最近読んだ本の話

こんにちは。少し間が空きました。
今日で夏季休暇が終わり、明日から通常勤務に戻ります。
休み中はひたすら読書していました。原稿は今日からまた頑張ります。
積読の1/4くらいは読破しましたが、まだまだ読むものがいっぱいです。ヒャー!
しかも今回読んだ本のおかげでまた読みたいものも出てきてしまった…うう。

最近でもないけど、割とここ二週間くらい上手く言葉が出てこないなって感じが続いていて。
読書欲も高まってあふれそうだったし、しばらく書かずにいました。
自分がどんなもの書きたいのか、ちょっと分かんなくなりはじめているのもあって。
色々迷走気味です。まあ、いつものことなんですけどね。
大した書き手でもないのに悩むことだけは一丁前だから本当、自分で嫌になりそうです。
隣の芝生は青いってやつなのかもしれないけど、私の芝生、枯れてないだろうか。笑
週末、創作をしている人たちの集まりにちょっと参加させてもらう予定でして。
知っている人はほぼいないし、色々心配なこともあるんですけど(上手く話せるかな、とか)
いっぱいエネルギーと刺激をもらってこようと思います。

追記にて最近読んだ本の話
・櫛木理宇著「世界が赫に染まるとき」
…バイオレンス小説といえば私の中でこの人!となりつつある櫛木さんの長編小説。
今回のテーマは「少年犯罪」と「復讐」でした。
いじめによって意識不明の怪我を負わされた従妹と、性的暴行を受けたその妹の復讐を誓う主人公。
彼は地味で目立たないクラスメイトの自殺の現場に偶然立ち合い、復讐に協力してもらうことになる。
練習、と称して権力や年齢を盾に罪を問われない犯罪者たちに私刑を下してゆく二人。
しかしその最中に従妹の意識が戻り、主人公はそれまでの行動に疑問を持ち始め…という物語。
何だろう、すごくやるせない物語です。何が正しいのか、どうしても考えてしまいます。
最後の最後はね、やっぱり他の方法があったんじゃないかなって思う。
でも、もし同じ目にあったのが家族だったら私は許せないと思うし、同じことをするかもしれない。
誰でも簡単に罪を犯す。だからもっと、他人を傷つける可能性を真摯に考えないといけない。
そんな風に感じる小説でした。

・大石圭著「華麗なる監禁」
…容姿端麗な人格者で町の名士でもある双子の兄弟・慎一郎と健一郎。
しかし、実は彼らの正体はおぞましいサディスト。そんな二人に監禁されてしまう美女・聖。
逃亡が無理だと悟ったとき、彼女は二人を争わせることを考える。自由になるために…という物語。
「殺人勤務医」がかなり衝撃だった大石圭の新作サイコサスペンスです。
敬虔なクリスチャンで困難は神の試練と受け止めるヒロインが、ブチ切れて神を捨てるところが秀逸。
ストーリーはスリリングでハラハラしっぱなしです。
ただ、女性への性的な暴行や暴力描写が割とがっつり入っていて。
そういうの駄目な人は駄目かも。エロさはゼロ。ひたすらとにかく痛々しいです。
最後、聖に救いが欲しかったな。彼女の人生はあれからどうなってしまうんだろう…悲しい。
怪物と戦うために自分も怪物になってしまった、っていう話なのかな。
そういう意味では大石節炸裂って感じです。流石としかいえない。面白かったです。

・唯川恵著「セシルのもくろみ」
…平凡な専業主婦だった主人公・奈央がひょんなことから読者モデルに抜擢。
そこから華やかな女の世界の戦いに否応なく巻き込まれ、人生の優先順位を考え直す物語です。
セシルというのはサガンの「悲しみよ、こんにちは」に出てくるキャラクターで。
彼女に関してメイク担当のトモさんが語るシーンが印象的。
人は外見じゃない、っていうけれど、そんなん建前なんだよね、所詮。
美しくいること、美しくいたいということ、そういう感覚は当たり前のことで。
そんな自分の欲望に、正面から体当たりしてゆくようなストーリー。
最後、奈央が選んだものを私は応援したくなりました。ああいうヒロイン好きです。頑張れ!

・塩野七生著「コンスタンティノープルの陥落」
…今までこの著者の作品は読んだことがなく、でも歴史ものの大家だと聞いて読んでみました。
途中途中で地図が必要だったんですが、歴史ものと思えないくらい面白い&分かり易い!
ビザンチン帝国時代、コンスタンティノープルがマホメット2世に攻め落とされるまでを書いた物語。
ビザンチン、トルコ、そしてヴェネチア、ジェノバ等様々な立場の人の目で都市陥落が描かれます。
陥落までのドラマもそうですが、戦いの戦況が何の知識がなくてもすんなりと理解できました。
海戦の戦い方、陸上の戦い方など、もし戦争を書くときこういうところを考えればいいんだなとか。
個人的に、マホメット2世の小姓・トルサンに萌えました。
わずか12歳で巨大な帝国の君主に重宝される美少年とか萌えしかないよー!
トルサンが主人公の本とかあったら是非とも読みたいです。
あと、この本を読んでジェノバ傭兵とイエニチェリ軍団に興味が湧きました。
傭兵は本買ったけど、イエニチェリ軍団も本がいっぱいありそう。読んでみようと思います。
あとカバーの著作一覧でハンニバルとかチェーザレ・ボルジアとか気になる本がいっぱい。
積読読んだらこの辺からやっつけていこうと思います。ヒャッハー!

・嶽本野ばら著「おろち」
…梅図かずおの「おろち」および映画版「おろち」を著者がノベライズした1冊。
業病を背負う門前家の美しい女達を見守る執事・西条の視点で語られます。
私は映画版を見たのですが、今回は長女・一草の出生の秘密にも触れられています。
嶽本作品は基本的に「エミリー」や「ハピネス」みたいな物語が大好きなのですけれど。
「鱗姫」のような業の深い美女を書かせると本当に凄いなって思う。今回も正にそれ!
オチは分かっていてもやるせない気持ちになります。ああーもう、これ、本当に!!!!!
どうにもならなかったんだろうなって思うんですが、どうにかならなかったのかな。
あと、嶽本版は男たちの方が怖いというか、業が深いです。
西条が葵と一草亡きあと、残された理紗や内縁の妻にしたこととかね。
結局彼の心には葵しかいなかったんだろうな。でもそういうの滅茶苦茶大好きです。
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